2004年10月 屈斜路湖畔にて


ものすごい風

紅葉もどんどん吹き飛んでいく

アメマスゲット

 出掛けには穏やかだった天候も屈斜路湖に着いた夕暮れ頃にはいつものように風が吹き荒れ、久しぶりのテント泊を楽しみにしていたポチも立っていられないほどの暴風にテント設営を断念、ゴンタのトレーラーに駆け込む。この日の風は本当に凄く、トレーラーも震度3くらいで揺れ続ける始末。自慢の薪ストーブも使うことが出来ずにゴンタがウデを振るった鍋をつまみ、夕食を済ませるとそそくさと就寝。
 「明日朝、釣りするかい?」 「うん、じゃぁ5時起きにしよう」 荒れ狂う風の音を子守唄に眠りにつく。

 翌日のポチの目覚めは最悪。朝5時に鳴り響いたゴンタのケータイの目覚ましの曲目はなんと 「愛のメモリー」。
 「美しい人生よぉ 限りない喜びよぉ…」 第3世代ケータイの澄み切った歌声入りのメロディは、朝から松崎しげるの日焼けした暑苦しい顔を連想させるのを容易にしてしまう。早朝から松崎しげるをフルコーラス聞きながら窓の外を見ると、まだ湖面は波立ち木も風で揺れていた。ポチは釣りを諦めてまた深々と寝袋にもぐる。

 いつもより少し遅めの朝を迎え、ゴンタお手製の朝食に舌鼓を打つと、あれだけ吹き荒れていた風もおさまりだす。
 「少し遅いけど、釣りに行くかい」 二人は手早く支度を済ませ、カヌーに乗り込みお目当ての川に向かう。時折吹く風に波立つ湖面に緊張しながらたどり着くと、すでに数人が竿を振っていた。
 「どうですか?」 話をしているまさにその時、目の前でバシャバシャと魚が跳る。ゴンタとポチは急いでカヌーから竿を下ろす。しばらくしてポチの竿が大きくしなり、本日初のアメマスゲット。まるでアキアジのようなファイトにポチの顔が緩む。さらにゴンタにも待望のヒット。お互い仲良く魚を釣り上げ意気揚揚と引き上げる。


ちょっと寒い

川下りスタート

驚くゴンタの視線の先は

昼からは恒例の川下り。すっかり水位が下がり、今まで気にかけなかった場所に木が顔を出していたり、水位が低い場所では座礁しかけたりで大変。秋も終わりかけると川では真っ赤な魚が悠々と泳ぎ、立ち木では今まで見たことがなかったヤマセミやエナガを見ることが出来て感動。釣りで遅くなったので、昼食は美登里橋で上陸して食べることにした。
 「じゃぁオレ、コーヒー淹れるね」 ポチがパーコレーターを取り出した時、事件が始まる。
 「あっ…」 「どしたの?」 「カップ忘れた…。」 ポチの目には呆れ顔のゴンタが映る。
 「マジ?…仕方ないね、何とかしようか」 寛大なゴンタの言葉に胸をなでおろし、カヌーに腰掛けたその時!
 カランカランッ!見るとポチがカヌーに腰掛けた振動でカヌーの上に置いてあったパーコレーターが落ち、コーヒー豆が散乱。しかもコーヒー豆は一回分しか積んできていない。硬直するゴンタ。苦笑いのポチ。
 「だからポチに任せたくなかったんだ…。」 ゴンタはそう呟きながら、ものすごく薄いコーヒー…いや、コーヒー風味のお湯を飲む。しかもカップがなかったのでパーコレーターのままで…。ごめんね(苦笑)


こぼれたコーヒー豆

とりあえず昼食

ちょっと罪悪感

 釣った魚を1匹だけリリースしないで持ち帰り、捌いてみると子持ちた。隣で見ていた息子がイクラにしたいと言い出す。聞くとテレビで某芸能人がイクラを作るロケをやっていたのを見ていたとのこと。さっそく網を用意してイクラを作ったのだった。


川下り後半戦

水量が少ない

息子がイクラを作った