2007年01月 仁 頃 山


クマはスノープルを背負う

5合目で西尾根へ

テープ付近に足跡が全然ない

 クマと偶然休みが合ったので、一緒に山へ向かった。リュックがやけに長いなぁと思ったらスノープルを詰め込んでいる。二人で黙々と管理車道を登り、5合目で一服。ここからはふた手に分かれることにする。クマは管理車道、オレは以前山頂で一緒になったおじさんに、「5合目から西に折れると面白いよ」と言われたのを思い出し、山を横切り西尾根から頂上へ登ってみる事にした。


ものすごい上り坂の連続

ついにテープを見失う

急に吹雪き出してきた

 歩き出すと先行者らしき道が付いていたのでそれを頼りに歩き出す。登山道を示す蛍光テープとはぜんぜん違う方向だったのが気になったが、雪道だし足跡もしっかり付いているからたぶん大丈夫。そう思いながら10分ほど歩くと、妙に急斜面ばかり。しばらく行くと尻滑りの跡。あれ?これは下山した人の足跡だ。よくよく見ると足跡は反対を向いていた。

 急斜面の連続で体力も根性も続かない。辺りを見渡しても蛍光テープが見当たらず正規のルートがわからない。途方に暮れながら急斜面と格闘しているうちに、急に薄暗くなり吹雪いてきた。

 あぁ、人はこうして遭難するんだ。でもこんな地元の山で遭難したら恥ずかしいな。この辺はケータイ圏内だから、カミサンに「朝までには帰るから絶対探さないで」と連絡できるな…などと考えながら上り続けると、一瞬の晴れ間から見慣れたアンテナが見えた。「あぁ、助かった…」って、なんて大げさなんだろう(笑)


アンテナが見えてひと安心

クマが待っていてくれた

スノープルで下山

 頂上に上ると吹き荒れる雪の中、クマが凍えて待っていてくれた。でも俺の顔を見ると「ごめん、寒くてたまらんから先に途中まで降りてる」とスノープルに乗り行ってしまった。せっかく持ってきたラーメンもこの天気の中じゃ食べる気がしない。コーヒーをひと口だけ飲んで体を温めて、スノーシューに履き替えてクマを追った。


乗りこなしてる

少し借りてみた

ジャンプして着地…失敗

 クマは9合目の辺りで待っていてくれた。少し下っただけなのに風もなく暖かい。軽快にスノープルを乗りこなすクマの後を追いながら下山。途中で少し借りてみたら、見た目と違い乗るのが大変。太ももはすぐにパンパンになり、何度チャレンジしても数メートルで転倒。でも面白かった。