雨あがり


 山奥の湖でソロキャンプをしようと出かけるとあいにくの雨。テントを張ろうか車中泊にしようか迷いながらもとりあえずタープを張ってみる。しばらく待つと雨脚が弱まってきた。急いでテントを設営して遅い昼ごはんの用意をした。

 昼食をとり本を読んでいると再び雨脚が強くなる。遠くからは野太い雷鳴が不気味に響き渡る。雷はどんどん近づいてきて、薄暗い森を稲妻が明るく照らす。

 やばい、テントを張った場所は高い木のすぐ傍だ。そう思いながらも避難するのが面倒で、テントに入りビールを飲んでいるうちにいつの間にか寝てしまった。

 目が覚めると雨はすっかり上がっていた。そして入り口を開けっ放しにしたままのテントの中にはヤブ蚊がたくさん入り込んでいて、体中虫刺されでボコボコニなった自分に気づいた。