まきストーブ


 その日はとても風が強かった。まきストーブを赤々と焚いても熱が風で飛ばされなかなか暖まらない。

 すっかり熱くなった煙突が風で傾いた。直そうとしたが熱くて煙突のそばまで行けない。手頃な棒切れで押してやろうと屈みこんだ時、いきなり煙突が倒れてきた。昨日買ったばかりのウインドブレーカーは見事に溶けて片側だけ7分袖になってしまった。